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オオスズメバチを捕まえたこと [スズメバチ]

オオスズメバチ

樹液を吸うオオスズメバチ。
オオスズメバチ.png


分類
界 : 動物界 Animalia
門 : 節足動物門 Arthropoda
綱 : 昆虫綱 Insecta
目 : ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : スズメバチ上科 Vespoidea
科 : スズメバチ科 Vespidae
亜科 : スズメバチ亜科 Vespinae

上の写真及び分類はウィキペディアの解説です。

私は小学4年生の時、夏休みに近くの山に昆虫採集を目的で登っていきました。
ここは春のお花見の時期が一番賑わいを見せ、あとは冬、子供達がスキーに来ます。
初心者にはもってこいの坂が有り、リフトなどと言う気の利いた物はありませんが人気のスポットです。

今日の話は、上に示したオオスズメバチのことです。
私は肩から提げた右側に三角紙のプラスチックケース、左にこれも肩から提げた毒ビン、この中には脱脂綿にホルマリンを湿らせて入っています。そして帽子をかぶり手には二段階に伸びる捕虫網を持っていました。この姿はいっぱしの昆虫採集少年でした。

いつもそうですが、学習研究社の昆虫図鑑は、暇さえ有れば見ていました。そこには、どこに昆虫がいるか、詳しいことが載っていました。私はそのポケット昆虫図鑑のことはよく見ていたので、昆虫の名前はほとんど覚えていました。私くらいの年齢で「ヨツボシケシキスイ」という甲虫の名前を知っている人はまずいないでしょう。

私はいつものルートで山道を登っていきました。くずの花が咲いているところには小さい昆虫がいるので捕虫網をかぶせ、花を振ったり、道の真ん中はオニヤンマが通るので前方をよく見るということも知っていました。前方から素晴らしい速さでオニヤンマの来ることを発見したときは胸が高鳴ったものです。

いや今日はスズメバチのことでした。いつも見るクヌギのところには樹液が出ています。そこにカナブンは珍しくありませんが、なんとオオムラサキがいたのです。その時私の胸が高鳴ったことは言うまでもありませんが、その横に、なんとなんとオオスズメバチがいたのです。

「よし、絶対捕まえるぞ」と私の心は私の身体に言い聞かせていました。私は捕虫網でねらいを定めホルマリンの入っている直径8センチのふたを半開きにさせました。ドキドキ心臓は高鳴っています。用意は出来ましたが、なかなか突撃には入れませんでした。昆虫たちは仲良くクヌギの樹液を吸っていました。

私は網を掛けたら、次にはこうして毒ビンを近づけて、と頭の中で捕まえ方を練習していました。そうして心を落ち着けていました。
「よし!、今だ!」私の心は私の身体に命令しました。スズメバチに網を掛けると彼は驚き飛び上がったようです、すかさず、網を反対に返し、地面に捕虫網をたたきつけました、ネライあやまたず彼は網に入りました。彼は相当面食らったらしく、鋭いあごをぱくぱくさせ、羽根で飛ぼうとしたり、手足をもがきました。次は毒ビンです、網の上から捕虫網ごとビンに入れふたをしました。暴れています、彼のお尻から毒針が何回となく出たり入ったりしています。この時、私の心臓の鼓動は絶頂だったと思います。しかし彼、スズメバチは強力なホルマリンの中、ホルマリンの勝利です。彼は何も出来ません。

家に帰って父親に見せました。父親には「こんな危ないことは止めろ」としかられました。しかしよく捕まえたと驚いていました。私は早速、蜂の手足、触角、羽根を伸ばして展翅台に乗せました。大きさは縦4センチ、幅1センチでした。とても綺麗な模様で怖い顔つきでした。地獄の悪役のようです。
夏休みが終わって、宿題としてこのオオスズメバチを出品したとき、みんなにおおいに注目されたことは言うまでもありません。

蜂はその攻撃性、飛行のすばらしさ、身軽で自由に速度を変え方向を変えて飛べ、更に社会性を持った統制された性格等々、蜂のような昆虫が自分の意のままに動くロボットであったら最高です。きっと人間に役立つロボットになるのではないでしょうか。




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